セルフカラーの基礎知識

セルフカラーの基本手順 — 準備から片付けまで

セルフカラーの仕上がりは、「塗り方」だけで決まるわけではありません。

準備、塗る順番、放置時間、洗い流し方、片付け——それぞれのステップに、仕上がりとダメージを左右するポイントがあります。

この記事では、セルフカラーの全手順を、準備から片付けまでステップごとに解説します。

セルフカラーで失敗しないために

セルフカラーで失敗する原因のほとんどは、塗り方ではなく「準備不足」と「焦り」にあります。この記事では、染める2日前から片付けまでの全手順を6つのステップに分けて解説します。「自分はここが弱いかも」と感じた箇所だけ拾い読みしてもOKです。

ステップ1:染める前の準備

2日前にやること:パッチテスト

ヘアカラー(永久染毛剤)を使う場合は、染める48時間前にパッチテストを行ってください。

→ 手順は「パッチテストのやり方」をご覧ください。

前日にやること:シャンプー

染める当日のシャンプーは避けてください。 頭皮の皮脂は、カラー剤の刺激から肌を守る天然の保護膜ともなります。当日朝にシャンプーすると、その保護膜を洗い流した状態でカラー剤が頭皮に触れることになります。

前日の夜にシャンプーしておけば十分です。

当日にやること:場所と道具の準備

場所の準備:

  • 洗面台やお風呂場が一般的ですが、鏡が見やすく換気ができる場所を選んでください
  • 床に新聞紙やビニールシートを敷いて汚れを防ぎます
  • カラー剤が壁やタイルにつくと落ちにくいので、近くに濡れタオルを用意しておくと安心です

道具の準備(カラー剤の付属品以外に用意するもの):

  • 汚れてもいいタオル(暗い色のもの)— 首まわりに巻きます
  • 前開きの服(かぶる服だと脱ぐときに髪に触れてしまいます)
  • ヘアクリップ 4〜6本 — 髪のブロック分けに
  • ワセリンまたはハンドクリーム — 生え際・耳・首の肌に塗って、カラー剤の付着を防ぎます
  • タイマー — 放置時間を正確に計るために必要です
  • ラップ(任意)— 放置中に頭に巻くと保温効果で染まりが安定します

染める直前にやること:保護

  • 生え際・耳まわり・首の後ろにワセリンやクリームを塗ります。 カラー剤が肌につくのを防ぎます。特に生え際は染まりやすいので、しっかり塗ってください。
  • 手袋をはめます。 付属の手袋でも構いませんが、フィット感が悪いと塗りにくいです。ぴったりサイズの使い捨て手袋があるとやりやすくなります。

頭皮の状態を確認

以下のいずれかに該当する場合は、セルフカラーを見送ってください。

  • 頭皮に傷・湿疹・かぶれがある
  • 頭皮にひどいかゆみがある
  • 体調がすぐれない
こんなときはセルフカラーを見送って

頭皮に傷・湿疹・かぶれがあるとき、強いかゆみがあるとき、体調がすぐれないときは、その日のセルフカラーは見送ってください。皮膚のバリアが弱っているところにカラー剤が触れると、刺激やかぶれが起きやすくなります。

ステップ2:カラー剤を混ぜる

使用説明書に従って、1剤と2剤を混ぜます。

注意点:

  • 混ぜたらすぐに使い始めてください。混合した瞬間から酸化反応が始まるため、時間が経つと発色が落ちます
  • 泡タイプの場合はボトルから直接出せるので混ぜる工程はありません
  • ワンプッシュタイプも自動で混合されます
混ぜたらすぐ使う

1剤と2剤を混ぜた瞬間から、酸化反応が始まっています。時間が経つほど発色は落ちていくので、混ぜたらすぐに塗り始めてください。泡タイプ・ワンプッシュタイプは自動で混合されるので、この工程はありません。

ステップ3:塗る

セルフカラーの仕上がりを最も左右するのが、この「塗る」ステップです。

髪をブロック分けする

いきなり全体に塗り始めるのではなく、髪をいくつかのブロックに分けてから塗ると、塗りムラと塗り残しが大幅に減ります。

基本のブロック分けは4つです。

  • 左前
  • 右前
  • 左後ろ
  • 右後ろ

ヘアクリップで留めて、ひとブロックずつ塗っていきます。

塗る順番

白髪染めの場合: 一番気になる部分(顔まわり・分け目)から塗り始めます。白髪が最も気になるところにカラー剤が長く触れている時間をつくることで、しっかり染まります。

おしゃれ染めの場合: 染まりにくい部分(後頭部・えりあし)から塗り始めます。染まりやすい顔まわり・頭頂部を最後にすることで、全体が均一に仕上がります。

白髪染めは「気になるところから」、おしゃれ染めは「染まりにくいところから」。最初に塗った場所が一番長くカラー剤に触れるので、白髪染めなら顔まわり・分け目、おしゃれ染めなら後頭部・えりあしを先に塗るのが基本です。

塗り方のポイント

たっぷり、のせるように。 カラー剤を薄く伸ばすのではなく、レンガを塗るように「ポテッ」とのせてください。髪がカラー剤に浸っている状態が理想です。量をケチるとムラの原因になります。

根元→中間→毛先の順に。 まず根元にカラー剤をのせ、そこから中間に広げます。毛先はダメージを受けやすいので、2回目以降は毛先にはカラー剤を塗らず、カラートリートメントやヘアマニキュアで色を補うのがおすすめです。

クシの使い方に注意。 カラー剤を塗ったあとにクシを通すとき、塗った薬をクシでそぎ落としてしまわないように注意してください。「ポテッと塗ったところの上から」軽く通すだけ。粗めのクシで、引っ張りすぎないようにします。

ムラを防ぐ2つのコツ

セルフカラーのムラは、量が足りないこと、または塗ったあとクシで薬をそぎ落としてしまうことから起こることがあります。

  • カラー剤はたっぷり、レンガをのせるように
  • クシを通すときは、ポテッとのせた薬の上から軽く流すだけ

量と扱い方を意識すると、ムラを抑えやすくなります。

塗り終わったら

塗り残しがないか鏡でチェックします。特に生え際、分け目、もみあげ、耳の上は塗り残しやすい場所です。

ステップ4:放置する

使用説明書に書かれた放置時間を守ります。

  • タイマーを使って正確に計ってください
  • 「長く置けばしっかり染まる」は誤解です。放置時間を超えて長く置いても、染まりが大きく良くなるとは限りません。髪質によって染まり方には個人差があるので、まずは使用説明書の時間を守ってください
  • 逆に短すぎると染まりが弱くなります
「長く置けば染まる」の誤解

放置時間を超えて長く置いても、染まりが大きく良くなるとは限りません。髪質によって染まり方には個人差があるので、まずは使用説明書の時間を守ってください。それでもうまく染まらないときは、次回に塗り方や塗る順番を見直すほうが、髪と頭皮への負担を抑えられます。

放置中にできること:

  • ラップを巻くと保温効果で染まりが安定します(必須ではありません)
  • カラー剤が垂れてきたら、ティッシュで押さえてください
  • 頭皮に痛み・強いかゆみ・ヒリヒリ感を感じたら、放置時間にこだわらずすぐに洗い流してください。我慢して説明書の時間まで置く必要はありません

ステップ5:洗い流す

放置時間が経ったら、しっかり洗い流します。

ぬるま湯ですすぐ

シャンプーの前に、ぬるま湯だけで「色のついた水が出なくなるまで」十分にすすぎます。カラー剤を頭皮に長くとどめないことが、頭皮への負担を減らすことにつながります。

洗い流しの手順

① まずぬるま湯だけですすぐ。 シャンプーの前に、ぬるま湯で色のついた水が出なくなるまで十分にすすぎます。カラー剤を頭皮に長くとどめないために、丁寧にすすいでください。

② シャンプーで洗う。 ぬるま湯ですすいだ後にシャンプーします。ゴシゴシこすらず、指の腹でやさしく洗ってください。

③ トリートメントをつける。 カラー剤に付属のトリートメントがある場合は、それを使ってください。カラー後の髪はアルカリ性に傾いているので、トリートメントで中和してキューティクルを整えることが大切です。

洗い流しの注意点

  • 生え際・耳まわり・首の後ろにカラー剤が残りやすいので、意識して洗い流してください
  • 熱いお湯は色落ちを早めるため、ぬるま湯(38度前後)がベストです
  • 洗面台やバスタブにカラー剤がついたら、すぐに洗い流してください。時間が経つと落ちにくくなります

ステップ6:片付けと仕上げ

使い終わったカラー剤の処分

  • 混合したカラー剤の残りは保存できません。使い切れなかった分はそのまま捨ててください
  • 容器は各自治体の分別ルールに従って処分します
  • 手袋やトレーなど汚れたものはビニール袋にまとめて捨てると、汚れが広がりません

カラー後の注意点

  • カラー当日は、もう一度シャンプーする必要はありません。 洗いすぎは色落ちの原因になります
  • 翌日以降、頭皮にかゆみや赤みが出た場合は、アレルギー反応の可能性があります。 症状が治まらない場合は皮膚科を受診してください
  • カラー後2〜3日は、色が安定するまでの期間です。 白いタオルや枕カバーに色がつくことがあるので、暗い色のものを使うと安心です

2回目以降のポイント:全体染めとリタッチの使い分け

初めてのセルフカラーでは全体にカラー剤を塗りますが、2回目以降は根元のリタッチが基本です。

毎回全体にカラー剤を塗り直すと、すでに染まっている毛先にダメージが蓄積していきます。根元の新しく伸びた部分だけにカラー剤を塗り、毛先の色あせはカラートリートメントやヘアマニキュアで補うと、ダメージを最小限に抑えながらきれいな状態を保てます。

→ リタッチの詳しいやり方は「リタッチの基本」(準備中)をご覧ください。

まとめ

セルフカラーの全手順をおさらいします。

  1. 準備 — パッチテスト(2日前)、シャンプー(前日夜)、場所と道具のセッティング、保護クリーム
  2. 混ぜる — 混ぜたらすぐ使う
  3. 塗る — ブロック分け → 白髪染めは気になるところから → レンガ塗りでたっぷり
  4. 放置 — 説明書の時間を守る。長く置いても染まりが大きく良くなるとは限らない
  5. 洗い流す — ぬるま湯で十分にすすいでからシャンプー → トリートメント
  6. 片付け — カラー剤の残りは処分、翌日以降の頭皮チェック

最初は手順が多く感じるかもしれませんが、2〜3回やれば自然と流れが身につきます。正しい手順を知っていれば、安心してセルフカラーを続けることができます。

監修:一般社団法人 日本セルフカラー協会(JSHA)

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