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セルフカラー「なりたい自分+不安な自分」どっちから選ぶ?

ドラッグストアでセルフカラーを選ぶとき、「やさしい」「簡単」「初めてでも」と書かれた一本に、ふっと安心して手がのびることがあります。

「こんな色になりたい」で選ぶこともあれば、「これなら自分でも失敗しなさそう」という心配のほうで選ぶこともある。なりたい自分と、不安な自分。どちらの気持ちにも、ちゃんと応える言葉が用意されています。

でも、その「やさしい」を選んで染めてみたら、なんだか思っていたのと違った。──そんな経験は、ありませんか。同じ言葉を選んでいるのに、うまくいく人と、そうでもなかった人がいる。その差は、いったいどこから来るのでしょう。

選ぶ基準は、みんな違ってあたりまえ

カラー剤は「希望」で手に取るか「心配」で手に取るか

セルフカラーのボトルをよく見ると、書いてある言葉は二種類に分類できます。

ひとつは、色の言葉。「明るいブラウン」「自然な黒」「つや」。どんな色に染まるかを伝えています。

もうひとつは、安心の言葉。「やさしい」「しみにくい」「簡単」「早い」。染めるときの心配に向けた言葉です。

この二つは、選び方が違います。色のほうは、なりたい色を選べばいい。安心のほうは、自分の不安を解消してくれそうな言葉を選ぶことになります。

セルフカラーのボトルの言葉を、色の言葉と安心の言葉の二種類に分けた図
どっちも本物の工夫なんですよね。なのに自分のときは、なんだか思っていたのと違った。……この差って、いったいどこにあるんでしょう。

好きな色は自分で選べる/私の心配にも効果あり?

色の選び方は、なりたい色を決めて、その色のカラー剤を選ぶ。明るくしたいなら明るいブラウン、落ち着かせたいなら自然な黒。自分の目指すイメージで選べます。

「やさしい」も、同じようにイメージで選んでいます。刺激が少なそう、頭皮にやさしそう——イメージから手に取ります。

しかし、「やさしい」と書いてあっても、刺激を感じる人もいれば、平気な人もいる。カラー剤特有の匂いを抑えていても、気になる人とならない人がいる。同じ商品でも、イメージ通りになる場合と、ならない場合があります。視覚的な色の変化も個人差がありますが、それ以上に、不安なイメージの解消には、期待と信頼が上乗せされていますよね。

個人差があるということは、不安だからこそ選んだ商品が、自分には合わないこともあるということです。そうなったとき、ちょっと心配になりますよね。

美容院では、不安なときってどうしてる?

美容院では、不安を伝えると、その人に合わせた施術をしてくれます。

ハケ付きコームを使って毛束に染料を塗っている手元の例

「私、しみやすいんです」
→ じゃあ、保護クリームを塗っておきましょう。

「この後予定があって、できるだけ早く染めたいんです」
→ じゃあ、薬を調整して、一気に全体を塗りましょう。

「カラー剤の匂いが気になるんです」
→ 美容院は換気されたスペースで、後ろから施術するので、そんなに気になりませんよ。

「こまめに染めると、頭皮が心配で」
→ 保護クリームを塗って、できるだけ伸びたところだけ染めるようにしましょう。

「髪が傷みやすいんです」
→ じゃあ、薬を調合して、パワーを調整しますね。

「いつも白髪がしっかり染まらなくて」
→ じゃあ、30分置いてから、一度チェックしますね。

カウンセリングでその不安を聞いて、一人ひとりに合った施術をしてくれる。美容院では、それが当たり前に行われています。

セルフカラーを美容院の代わりにする方法

セルフカラーの場合、その不安を伝える相手はいません。かわりに手に取るのが、「○○な人用」と書かれたカラー剤です。

優しく染めたい、しっかり染めたい、早く染めたい、こまめに染めたい、頭皮が気になる。——そんな一人ひとりの不安に向けて、それぞれのカラー剤が用意されています。

それがあれば、美容院でわざわざ伝えなくても、自宅で最低限のケアが可能です。「最低限」美容院の代わりにセルフカラーで不安を取り除くとき、カラー剤1本に全ての期待を背負わせていることになります。

なぜ美容院には「○○な人用」がないのか

美容院では、一本の薬ですべてをまかなうのではなく、保護するもの、薬の調合、塗り方、置く時間。いくつもの手を組み合わせて、その人のその日に合わせている。

だから、美容院には「○○な人用」という業務用のカラー剤はありません。「プロフェッショナル専用」表記のみです。使用するカラー剤だけにまとめることができない部分を、個人差に合わせて、施術に組み立てているからです。

でも、それができないから、セルフでは少しでもケアできるように、不安を解消するカラー剤を選びます? いや——

毎日のヘアケアを思い浮かべると、シャンプーのあとに、リンスやコンディショナー、トリートメント。乾かして、洗い流さないトリートメント。朝は、寝ぐせを直すヘアミスト、毛先にはヘアオイルで艶を出します。自分の髪を整えるとき、ひとつの商品で終わらせず、いくつかを組み合わせて、ベストな状態に近づけていますよね。

市販には「○○な人用」のカラー剤がいくつも並ぶのに、美容院の業務用には「○○な人用」の区分が無いことを左右で比べた図

でもセルフカラーでは、ひとつの商品にすべてを背負わせ、期待させることが、まだまだ多いのが実情です。協会がこれまで市販のセルフカラーを検証してきたなかでも、不安を補う商品が、カラー剤と一緒に分かりやすい形で用意されているケースは、多くありません。

セルフカラーの「自由+責任」

セルフカラーには、選ぶ自由があります。なりたい色から選んでもいい。気になる不安から選んでもいい。自分で決められます。これが、セルフカラーの良さ(=自由)です。

そして、自分で選んだのなら、その結果も自分のものです。うまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。だったら、できるだけうまくいくように。セルフカラーだと一つのカラー剤に頼りがちですが、できるだけうまくいくような工夫(=責任)も考える、そんな時代になってきたのかもしれません。

協会にできること

セルフカラーをみんなが安心して使えるように応援していくこと(=責任)も、私たちの役目だと思っています。

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