白髪染めのあと、髪がムラになっています。上のほうだけ明るい。うしろが染まっていない。
白髪も、ところどころ残っています。塗り方が下手だったのかな、と思いますよね。
どうしてこうなったのか。いまから直せるのか。
鏡を見ながら、一緒に確かめていきましょう。
同じように塗ったのに色がそろわない
濃く染まったところと、うすいままのところ。同じ薬を、同じように塗ったつもりでした。
どうして、こんなふうにムラになるのでしょうか。
薬の量と塗る順番
塗っているあいだ、薬の量は足りていると思っていませんでしたか。

薬は、思っているより多くいります。多いかな、と思うぐらいでちょうどいいです。目安は、髪が薬で覆われて、透けて見えなくなるまで。
透けたまま塗り終えると、思った色にならないことがあります。薬が髪の表面にしかつかないからです。
塗る順番でも、染まり方は変わります。
白髪染めは、いちばん目立つ分け目や生え際から塗ります。あとに塗るところは、薬に触れる時間が短くなります。
根元と毛先のちがい
毛先だけ暗い。前に染めたところとの境目に、線が出ている。
1本の髪をつまんで、根元から毛先までさわってみてください。生えたばかりの根元と、もう何度も染めている毛先。同じ1本でも、パサつきが違いませんか。
これは、髪のほうに理由があるムラです。

① 根元から約2センチは、体温の影響を受けるので、薬の反応が早くなります。
② 繰り返し染めることで、毛先に向かって色が暗く残るケースが多くみられます。
③ 毛先はいちばん傷みやすく、傷んだところは色が入りやすく、抜けやすくなります。
④ 白髪の多いところと黒髪の多いところでは、同じ薬でも染まる色が違います。
同じ薬を同じように塗っても、根元と毛先では、染まり方が違います。
もう一度染めれば消える?
ムラを消したくて、同じ薬をもう一度、髪ぜんぶに塗る。それがいちばん早そうに見えますよね。
毛先が暗くなっていく理由
毛先の色を思い出してみてください。染めるたびに、少しずつ暗くなっていませんか。
根元の白髪を染める薬は、根元を染める強さで作られています。それをそのまま毛先まで伸ばすと、毛先には強すぎます。前より暗くなって、そのぶん髪が傷みます。
薬が2回ついたところは、次に塗るときも同じように重なります。
毛先は、染めるたびに暗くなっていきます。
明るいほうへは戻せる?
セルフでムラを直すときには、明るいほうに合わせるか、暗いほうに合わせるか。ここがとても大切になります。

ムラになると、少しでも明るいほうに合わせたい気持ちになるのは分かります。
ただ、セルフで明るく修正するには、暗く入った色を抜くことになります。使うのはブリーチです。
セルフブリーチは、暗いところだけを狙って抜くことが、とても難しいです。家でひとりで塗ると、うしろは見えません。狙いから外れて明るいところに薬がつくと、そこはさらに明るくなり、ムラはかえって広がります。
ブリーチを塗った箇所はダメージも大きくなるため、この先ふつうに染めても、ムラが出やすい状態が続くリスクがあります。
明るいほうへ近づけるのは、セルフカラーでは想像以上にリスクが高くなるケースが多いです。
協会では、暗いほうに合わせることを推奨しています。
ムラのパターン別 直し方
鏡を見て、自分のムラに近いものを探してみてください。

上と下で色が違う

次に染めるときは、毛先には塗りません。染めるのは、生えてきた根元と、明るくなった中間だけです。
合わせるのは、いちばん暗い毛先の色です。ぴったり同じ色にならなくてかまいません。近づけることが大事です。
髪は、毛先へ向かって明るいほうが自然に見えます。毛先が根元より暗いと、かえって不自然に見えます。
根元を少し暗めにして、毛先へ向かってだんだん明るく。髪が長いほど自然に見えます。
濃いところを、うすくしたいとき
- シャンプーを繰り返す —— 洗うたびに、色は少しずつ落ちていきますが、短期間で明るく戻すことはあまり期待できません。
- 透明マニキュア —— 白髪染めトリートメントで濃く入った色に使えます。つるんと落ちるのではなく、少しずつ取れていきます。
根元だけ明るい

根元だけが明るく、中間から毛先は暗いまま。上が濃くて下が淡いプリンと色の並びが逆なので、この状態を「逆プリン」と言うことがあります。
プリンは、明るく染めた髪に、暗い地毛が根元から伸びてきた状態です。
逆プリンは、染めたときに起きます。すでに暗く染まっている髪に、明るめの白髪染めを使う。生えてきた根元は明るく染まりますが、暗く染まっているところは、明るい薬を重ねても明るくなりません。それで、根元だけが明るくなります。

逆プリンを直すには、まず、暗いところをこれ以上暗くしないことです。毛先には薬を重ねません。
そのうえで、明るくなった根元だけを染めます。次に染めるときは、前回より暗めの色を選んで、毛先の暗さに合わせていきます。
ところどころ濃い・薄い

ダメージは目に見えませんが、1本の髪の中でも、傷んでいるところは染まりやすく、そうでないところは染まりにくい。それが混在して起こるケースです。
直すときは、濃いほうに合わせます。ただ、いちばん濃いところにそのまま薬を塗ると、そこはもっと濃くなります。
そこで、とくに濃くて気になるところにだけ、染める前にヘアトリートメントを塗っておきます。これ以上暗く染まるのを防ぐためです。
ところどころ濃い・うすいまだらのムラは、完全は目指さずに、できるだけ髪を傷めずに修正することが大切です。
毛先が白くキラキラする

キラキラして見えるのは、髪に隙間ができていて、そこに入った空気が光を反射しているからです。
毛先のキラキラは、染まらなかったのではありません。入っていた色が抜けたものです。
どうせ色が抜けるからと、毎回、髪ぜんぶを染める。すると傷みが進んで、もっと色が抜けやすい髪になります。抜けるから染める、染めるから抜ける、の繰り返しです。
このパターンのムラでは、髪への負担が少ないやさしい薬(ヘアマニキュア・カラートリートメント・カラーシャンプー)で色を入れていくことが大切になります。
生え際と根元が白く残る

ここは色が抜けたのではなく、まだ染まりきっていません。
生え際やもみあげは、白髪が太くて硬く、短い毛は薬を弾きやすいケースが多いです。

30分おいても染まっていなければ、さらに5分おいてみます。
それでも白く残る場合は、選んだ色が明るすぎた可能性もあります。次は前回よりも一つ暗めの色を選んでみてください。
一か所にかたまった白髪

これは、明るめの白髪染めを選んだときに起こりやすいケースです。
市販の白髪染めには、白髪をしっかり染めるものと、黒髪を明るくすることで白髪をぼかして見せるものがあります。
このケースは、黒髪を明るくして白髪をぼかすタイプを選んだときに起こります。
明るくしたいのに、一か所の白髪に合わせると、全体が暗くなってしまう。だから明るめを選ぶのに、そこだけが染まらずに残ります。
そんなときは、いつも使っている色の1段階下の色を選んで、かたまった白髪のところだけ塗るようにしてください。
すぐに染め直せる?
もう一度染めるとして、それは今日でしょうか。それとも、少し待つほうがいいのでしょうか。

美容院で直してもらうなら、その日のうちでも大丈夫です。染めた髪の状態を見て、そこから薬の強さを選んでもらえるからです。明日からの生活に困るようなムラは、その日のうちに美容院に駆け込んでください。
セルフカラーでも、当日にムラを直したくなりますよね。原因も直し方も分かったのだから、すぐ染めたい気持ちは分かります。それでも、セルフならできれば2週間だけ我慢してほしいのです。
できれば2週間だけ、我慢してください。
染めた髪の中には、薬の残りがしばらくとどまります。それが抜けるまでの目安が、およそ2週間。待たずに重ねると、髪への負担が二重にかかります。空ける日数の目安は情報によって翌日から1ヶ月までと幅がありますが、髪の状態は人それぞれで、全員に当てはまる正解の日数は決められません。そのうえでの、協会からのお願いです。
待っているあいだは、白髪隠しのスプレーやマスカラ、ファンデーションタイプで明るいところを暗めに合わせたり、結ぶ、編む、分け目をいつもと違う位置にするなど、髪型の工夫でしのぐ方法もあります。
ムラ直しの目標は「差を縮める」
家でひとりで染めると、うしろの髪は見えません。耳のうしろや、えり足もそうです。美容院と同じ仕上がりを目指しているわけではないのは、分かっています。
完璧に色をそろえることを、目標にしなくても大丈夫です。
明るいところと暗いところの差を縮めること。それだけでも、周りから見ると、思っているより、気にならないものです。
暗いほうに合わせてください。
明るいほうに合わせようとすると、いま暗くなっているところの色を抜くことになります。抜いたあとの色をつくり直すのは、髪の状態を見ながら薬を選び分けられる美容師の仕事です。家で買える薬は強さが1種類なので、抜いたあとの髪に合わせて色を入れ直すことができません。だから、セルフで直すなら暗いほうへ、というのが協会からのお願いです。