失敗防止・トラブル対処

暗くなりすぎたときの対処法

髪を染め終えて振り返る女性と、暗くなりすぎてもあわてないという言葉

染め終わって、鏡を見ると…思っていたより暗い? 室内だから?照明のせい?気にしすぎではなく、毛先がたしかに暗い気がしますよね。

色も明るさも、いつもと同じものを選んだはずなのに、今回だけどうしてこんなに暗く感じるのでしょうか。

フッと鏡を見たとき、髪の明るさの違和感に気づきますよね。なんで自分の髪が突然暗く感じたのか、いま何が起きているのでしょうか。

ちょっと暗いぐらいなら、すぐ戻るから大丈夫

思ってるよりも暗く染まった?

根元のほうが明るい「逆プリン状態」

明るく染めた髪の根元が伸びてきて、そこだけ黒い地毛が出ている髪の状態を「プリン」と例えることがあります。上が黒くて、下が明るい。

暗く染まりすぎたときに起きるのは、その逆です。毛先のほうが黒っぽく重く、根元のほうがなんだか明るい。上が明るくて、下が暗い。プリンがひっくり返ったような状態が「逆プリン」です。

根元だけが黒く毛先が明るい髪と、根元だけが明るく毛先が暗い髪を並べた図

根元が明るく見えるのは、そこが白髪だから、ではありません。白髪はきちんと染まっていて、それでも毛先より明るく見えている。つまりこれは、根元と毛先で「染まり方」に差が出た結果です。

いつもと同じ薬なのに?

暗くなりすぎたとき「色を間違えたかな。明るさの数字を見落としたかな」まずは今回のカラー剤を疑います。

でも、使ったのは、去年からずっと同じ薬。色も明るさも変えていない。塗り方も、いつもと同じように全体に伸ばしただけ。変えたつもりのものが、何もない。

それなのに、今回は毛先が暗い。なぜでしょうか?

暗く染まった色は戻せないの?

暗く染まった時って、もう明るくできないのかな?って不安になりますよね。

暗く染まった色は、戻せます。ただ、明るい白髪染めをもう一度上から塗っても、思ったようには明るくなりません。黒っぽく染まった髪に、うすい明るい色を重ねても、黒いままだからです。

だから、明るくするには、上から塗る以外のやり方になります。いくつかあるので、どれを選ぶかは、どれくらい明るく戻したいかと、髪をどれだけ傷めたくないか、この2つで変わってきます。

暗い色を明るくする3つのやり方を、髪の傷みと明るくなる早さで並べた図。時間で待つは傷まずゆっくり、美容院は今すぐでプロにまかせる、ブリーチは今すぐだが髪が傷む。ヘアマニキュアやカラートリートメントは番外で、明るくなった後に色みを足して明るさをキープする手。暗いうちに使うとあとで明るくしにくくなる。

どれを選ぶにしても、その前にひとつだけ。いま毛先が暗いのは、これまで何度も染め重ねてきた色が、毛先にたまっているからです。まずは自分の髪がいまどうなっているか、思い出してみてください。

時間をかけて落ちるのを待つ

いちばん髪にやさしいのは、時間をかけて、少しずつ落としていくことです。

髪は洗うたびに、色が少しずつ落ちていきます。だからしばらく全体染めはお休みして、伸びてきた根元だけを染めます。このとき、毛先には薬をつけないようにします。毛先に新しい色を入れない時間が長いほど、暗さは抜けていきます。

暗くなっているのは、ほとんどが毛先です。短くしてもいい長さなら、暗い毛先を切るぶん、早く明るい髪に戻ります。

どれくらいで戻るかは、髪の長さ、暗めに染めてきた期間、繰り返し染めた回数で、人によって変わります。数か月のこともあれば、長く濃い色で染め続けてきた人なら、半年から1年以上かかることもあります。急がない人には、これがいちばん髪を傷めずにすみます。

次に根元を染めるときは、いまより少しだけ明るい色に変えていくと、暗い毛先となじみながら、だんだん明るくなっていきます。一度に大きく明るい色にすると、根元だけ浮いて見えるので、少しずつが安心です。

明るくなってきたら 色みをキープ

時間をかけて明るく戻してきて、ちょうどいい明るさになってきたら、その明るさを長もちさせる手もあります。

ヘアマニキュアやカラートリートメントで、赤やオレンジなどの暖かい色みを足すと、色落ちしにくくなって、明るくなった髪の色みをきれいに保てます。髪の表面に色がつくだけなので、傷みません。

ただし、暗く染まったばかりの髪には、すぐ使わないでください。表面に色が入ってしまうと、あとで明るくしたいときに、かえって明るくなりにくくなることがあります。使うのは、明るく戻ってきてからです。

ブリーチで色を抜く

今すぐ明るくしたいなら、ブリーチを使う方法があります。

明るい白髪染めを塗っても、暗く入った色は落ちません。その暗い色を抜いて明るくできるのは、ブリーチだけです。ただ、明るくする力が強いぶん、髪への負担も大きくなります。

暗く染めていない根元や白髪は、明るくなりすぎて傷みやすいところです。暗いところだけをねらって塗る手加減がいるので、自分でむらなく塗るのは、かんたんではありません。一度では、色が抜けきらないこともあります。

協会の実染調査でも、白髪染めはブリーチで色を抜いても、赤みが残りやすいことが分かっています。今すぐしっかり明るくしたくても、そのぶん髪は傷みます。よく考えてから選んでください。

美容院でみてもらう

自分でやるのが不安なら、美容院にお願いする方法もあります。

美容院では、いまの髪にどれくらい暗い色が残っているかをプロが見て、その髪に合う薬を選び、その日のうちに明るくしてくれます。暗く入った色だけを抜く薬もありますが、これはプロが使うものです。

ただ、「美容院に行けば一度で元どおり」とは限りません。暗く染まった色は、美容院でも一度では抜けきらず、何回かに分けて明るくしていくこともあります。それでも、自分の髪を直接みてもらえる安心はあります。

※今すぐ明るくする具体的なやり方(ブリーチや、色を抜く薬など)は、美容師パパのブログでくわしく解説しています。→ 暗い白髪染めを明るく染めなおす5つの方法

どれかひとつが正解、というわけではありません。急がず髪を守りたいなら、待って落とす。今すぐしっかり明るくしたいなら、ブリーチや美容院。どれくらい明るく戻したいか、髪をどれだけ傷めたくないか。その2つを思いうかべて、自分に合うやり方を選んでください。

なぜ「突然暗く」なったのか?

暗くなった原因を、協会の実染調査から解説していきます。

①染めるたびに毛先へ色が重なる

白髪染めで便利な泡タイプや乳液・リキッドタイプでは頭全体に1度で塗ります。伸びてきた根元を染めたいのに、薬は根元から毛先まで、髪ぜんぶに白髪染めがついていますよね。

毛束の根元から毛先まで全体に染料をなじませている手元

根元にとっては、それが1回目の色です。でも毛先にとっては、2回目、3回目、10回目の色です。染めるたびに、毛先には色が重なっていきます。

染める回数を重ねるごとに、根元の白髪は同じまま毛先だけが濃く暗くなっていくことを示した図

1回では、ほとんど気づきません。4回5回と続けるうちに、毛先の色がゆっくり暗く感じるようになります。

②傷んだ髪ほどよく染まる

全体染めを繰り返した毛先は、少しずつ傷んできます。そして傷んだ髪は、染料をよく吸い込みます。

同じ薬を同じ時間だけ置いても、傷んだ部分から先に色が染まるということです。つまり白髪が染まる頃には髪の内側の深いところまで浸透しやすくなり、毛先にいくほどダメージ毛には色が濃く染まることになります。

同じ薬を同じ時間置いても、元気な根元は浅く、傷んだ毛先は早く深く染まることを示した図

③白髪は染まりにくい

新しく生えてきた白髪は、まだ一度も染めたことがない、丈夫な髪です。

白髪はしっかり染めたつもりでも、キラキラと明るく浮いて染まることがありますよね。

分け目の根元に伸びてきた白髪が光って見える髪の例

つまり、1本の髪の中に、染まりにくいところと、染まりやすいところが両方あるということです。黒髪よりも、白髪のほうがこのダメージの差は大きくなります。

根元の白髪は表面のあたりで染まり、毛先は染料が芯まで深く入ることを毛の断面で示した図

根元の白髪がしっかり染まりきらないうちに、毛先ばかりが濃く暗く染まっていく。白髪を染めたいだけだったのに、髪全体が思ったより暗く染まる原因はこの3つにあります。

ここまでが、暗く感じる髪の中で起きていたことです。次に染めるときは、どうすればいいのか考えていきましょう。

暗くなりすぎない染め方のポイント

「いつもと同じ薬」の罠

いつもと同じ薬なのに、なぜ今回だけ暗くなったのか。

薬は、何も変わっていません。色も明るさも同じです。時間さえきちんと置けば、本来は根元も毛先も同じ色に染まるはずです。変わったのは、薬ではなく、「自分の髪の状態」です。

染める回数を重ねても薬は同じで、変わっているのは髪のほうだと示した図

染める前は白髪?黒髪?染めた髪?

薬を選ぶとき、多くの人は白髪用か黒髪用か、その2択でパッケージを見ます。でも、実際に染める前の自分の髪は、2種類ではないケースが多いですよね。

いま伸びてきている根元は、白髪と黒髪です。けれど毛先は、前回、そしてそれ以前の過去に繰り返し染めた履歴のある髪です。明るい茶色が残っているところ、黒く固まっているところ、色味がまだらなところ。塗る前のどんな髪の状態にも平等に色は染まっています。

明るい茶色に染まっている髪は、もともと白髪だった部分と、もともと黒髪だった部分の両方があります。どちらも染料が入って同じような茶色に見えているので、見ただけでは、染める前が白髪だったのか黒髪だったのかは分かりにくいですよね。

染める前の髪を白髪・黒髪・染めた髪の3つに分けて並べた図
染めた髪には、もとが白髪だった部分ともとが黒髪だった部分があり、どちらも同じ茶色に染まっていることを示した図

塗る前に一度、自分の毛先を見てみてください。いま毛先にあるのは、もともと白髪だった髪でしょうか。それとも、黒髪だった髪でしょうか。同じ茶色に見えても、白髪を黒く染めて色が落ちた茶色なのか、黒髪を染めたことでメラニン色素が抜けて明るく見える茶色なのか。その違いも染まりやすさに影響しています。

セルフの染め方は「グラデーション」イメージ

自宅で染めるとき、美容師のように細かい塗り分けのテクニックは難易度が高いものです。セルフカラー協会では染め方に少し差をつけることを推奨しています。

根元の白髪は、しっかり染めて暗く。毛先は、明るめに残す。1本の髪の中で、根元から毛先へゆるやかに明るくなっていく。グラデーションのイメージです。

まず、根元にだけ薬を塗って20分置く。そのあとで、残った薬を全体に伸ばして、さらに10分置いてから流す。時間の差のテクニックですが、これはセルフでも可能です。

じつは"カラー剤の説明書に解説してある"塗り方なんですよ!
根元だけに20分置いてから全体に伸ばして10分置く塗り方と、その結果できる色の差を示した図

根元は合わせて30分、薬に触れています。毛先は、最後の10分だけです。染まりにくい白髪にはたっぷり時間をかけ、濃く入りやすい毛先には短い時間しか置かない。それがとても大切です。

すでに明るめに戻している途中なら、「全体に伸ばして10分」をやめて、全体に伸ばして3分で終わらせてもかまいません。毛先に新しい色を入れない時間が長いほど、色は落ちていきます。

暗く染まりすぎた時、次から確かめること
  • 毛先を見る。どこまでが暗く感じるか?
  • 白髪を見る。伸びたところはキラキラしていないか?
  • 薬は、まず根元だけに塗る。全体にいきなり伸ばさない
  • 白髪にしっかり時間を置いてから、全体に
  • 無理に毛先まで塗らなくてよい

根元はいつも新しくて丈夫な、生えたての髪。でも毛先は、いつも前回染めた髪の繰り返し。

長くセルフで染めることで根元と毛先とでは、髪のダメージが違ってきます。薬は変わっていません。変わっているのは、自分の髪のほうでした。

大切なのは、薬ではなく、目には見えない髪のダメージです。根元はしっかり、毛先は短めに時間をおけば、次からは暗くなりすぎずに染められます。

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